ひと月ほどまえに、常連の方がヨタヨタしながら来院しました。
足元がおぼつかない感じでバランスを取りながら慎重に歩いていました。
食欲も落ちたとのことで一回り痩せられて、筋肉も落ちていました。
10日ほど前に美容院で肩を揉まれてから首が痛いとのことでしたが、
足のふらふらする様子はどうも首が原因ではなさそうでした。
同時に手足のしびれもあると言い、
両手足の指先の方がしびれるとのことでした。
最初に「末梢神経炎」が思い浮かんだので「かっけ」の検査をしてみました。
膝の下を叩くと足が跳ね上がるという有名な検査ですが、
その検査では全く反応がありませんでした。
「かっけ」であればビタミンB1の不足が原因ですので、
薬などで補うと解決が早いのでまずは積極的な摂取をおすすめしました。
もう一つの可能性として、「ギランバレー症候群」が考えられました。
風邪などの感染が原因となって末梢神経が影響を受ける病気です。
自分の免疫で末梢神経が攻撃される「自己免疫疾患」でもあります。
「指先のしびれ」「手足に力が入らない」の症状が当てはまり、
普段から鼻炎持ちの方なので、鼻かぜにいつの間にかかかっていた可能性があります。
「ギランバレー症候群」は鼻かぜからかかることが多いそうです。
幸い症状は少しずつ軽減してきてふらつきも少なくなり、
以前のように歩いて来院することができるようになりました。
ビタミンB群の多めの摂取は今でも続けているとのことです。
今回のケースは医者で調べても分からなかったとのことですが、
症状もあまりひどくなかったので快方に向かいました。
医者にしっかりとした対応をしてもらいたいと同時に、
当院でも慎重に話を聞いたり原因を調べることの重要性を再認識しました。